DVD・・・「海と毒薬」一番怖かった映画 

「プラダを着た悪魔」を観た直後に観るべき映画ではありませんでした・・・「海と毒薬 デラックス版」。

今まで色々怖い映画を観てきて、一番怖い映画は「リング」だったのですが、それを上回る怖さを感じました。
ちなみに今日のニュースで「もっとも怖い日本製ホラーは」というトピックスがありましたっけ。

でもコレはホラーじゃない。
戦時中、本当にあった事件が題材になっています。
その事件とは大学病院内におけるアメリカ軍捕虜の生体解剖事件。

日本でもこんなことが行われていたんだ。
戦争は人を狂わせる。
だから戦争はしちゃいけない。

・・・こういう単純な感想を戦争を実体験として知らない私が述べてはいけない、と思う位、重く怖い映画でした。

派手な感情表現がある訳じゃない、最後に出てくる軍人達の宴会がせいぜいの動きで、後はほとんど皆直立不動で進んでいく動きの無い映画です。

でも思ったことの半分も表現出来なかったであろう戦時中の人達はきっとこうであったであろうと想像させる「静の演技」・・・。
噴出してくる汗にのみ意志が感じられる、そんな押さえ込んだ演技がかえって当時の切迫感を感じさせて怖かった・・・・。

そして映画を観ていて更に怖いことに、この映画の登場人物達が感じていた感情と現在を生きる人間達にはある共通の感情があるような気がしてならなくなった時、私は物凄い恐怖を感じました。

その感情とは・・・「もう、どうでもいいよ・・・」

戦火が激しくなる中で希望も何も見出せず、恐怖や怒りの感覚も麻痺してきた彼らは遂に何に対してもこうした感情を持つようになってしまうのです。

これって・・・今現在凄くよく口にされる言葉であり、感情だとおもうのですが・・・。

政治に対する諦め、格差社会に対する諦め、努力が報われない社会に対する諦め・・・そんな色々なことに大して諦め始めた人達がふと漏らす言葉・・・・もうどうでもいいよ・・・・。

この感情を持ち始めた時、登場人物達は本来有り得ない要求を受け入れる隙が出来てしまうのです。

・・・平和で、満ち足りているはずの現在でもこれと同じような感情が生まれるのだとしたら・・・・

後はもう考えるのも恐ろしくなってきました。


怖いのは呪いでもお化けでも無くて・・・・人間そのものであって。

・・・今まで観た映画の中で本当に一番重く、怖い映画でした。

・・・私はもう観たくないけど、これは観るべき映画だったと思います。


原作は遠藤周作氏です。

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